左手の運指は、篠崎以外の本では、まず中指と薬指が近い半音の形から入ります。
これは、2・3指の独立して動く感覚が、鈍いためにあります。
まずは易しい手の形からスタートするのです。
このように、薬指を固定した状態では、他の4本の指は離れることができますが、
中指を固定した状態でやると、薬指だけが、離れません。
人間の指を動かす神経は4本であり、薬指には、独立して動かす神経がありません。
なので、中指・薬指の独立を促す訓練をする必要があります。
初めて1・2指が半音の形が出てきたとき、大抵の人がうまく押さえられず苦労します。
この指の様々な形を学習するのに適切な教材として、セヴシックOp.1-1を使用します。
初歩の段階では、No.1~5までを一区切りと考え、まずは、一音ずつ二分音符の速さで、ゆっくり弾かせます。(スラーは外します。16分音符、No.5は一拍スラーからです。)
この時に、注意深く生徒の左手を観察し、形を整えていきます。(「左手親指の位置」と「3・4指の注意点」をご参考になさってください。)
慣れてきたら、記譜通りに弾きます。
8分音符は2拍スラーから、16分音符では一拍スラーから始め、次に2拍スラー、最後に記譜通りです。
各々、一小節に対して、2回づつ行ないます。
生徒にもよりますが、基本的には宿題は一段づつにします。
使用開始時期は、G-Dur等の、1・2指が半音の形がでてきたときから、使用します。
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