基本的に親指は人差し指と向かい合わせにします。
基本的に、というのは、必ずしも、ずっと同じ場所ではない、ということです。
絶対的に、親指と人差し指を向かい合わせ!と思い込んでしまうと、親指に力が入ってしまい、左手がガチガチに固くなってしまいます。
また、成長過程にある子供の場合、最初は楽器が大きいので、親指はネック下に入りがちです。
このモデルの子は、最近3/4にサイズアップしました。
なので、親指がややネック下に入りがちです。
ネック下に親指が入り込んでいる。
ここまでネックの真下に親指を入れてしまうと、親指の付け根に負担がかかり、腱鞘炎になってしまいます。
この手の形の方が、小指を高く置けるのですが、親指に大きな負担になりますので、あまり良くありません。
実は、私自身、この持ち方でした。
30代に入ってから矯正しました。
10度やフィンガードオクターブ等の手の拡張を要求される場合はネック下に親指を入れて弾いたほうが上手くいきますが、基本的には、親指は1指2指と向かい合わせにしましょう。
そして、親指の位置は、多少の動きがあって構わないことを念頭においてください。
これはネックにべったり手のひらがついている悪い例です。
また、親指を引っ込めようとすると、力を入れすぎて直角に親指をまげて持ってしまう人もいます。
手の形を良くするために、補助をしてあげてください。
あくまで軽く手のひらに触れるようにして、このまましばらく生徒に弾かせます。
この部分は、生徒自身には見えないので、感覚として覚えさせるようにします。
参考文献:ガラミアン/ヴァイオリン奏法と指導の原理 P.16~18
フレッシュ/ヴァイオリン奏法 P.16
菅原英洋/ヴァイオリン奏法の知識 P.66~67