私はボーイングには3段階あると考えています。
ヴァイオリンは、自分の手元が見えない楽器です。
なので、体の使い方を、様々な感覚で意識する必要があります。
一般的に、駒と指板の間をまっすぐに弓が通る、と言いますが、右手首と肘の関係を図形的に考えてみます。
弓元では、手首を 『へ』 の形にします。
この時、親指を軽く曲げて弓毛につけるようにし、毛を顔側に少し向けます。
「手首を起こす」 との言い方もします。
この時、フロッグと右肘は大体同じ高さにし、右肩が上がり過ぎないように注意します。
中弓では、腕と弓の中に正方形ができるように。
弓先では、直角三角形ができるように。
ですが、肘はぴんぴんに伸ばすわけではありません。
肘をまっすぐに伸びすぎると、関節が固定されて、腕に力が入ります。
腕が短い人の場合、無理に弓先のチップまで弓を使わないようにします。
習い始めた時から、この3段階を意識して弓がまっすぐに通るように訓練します。
特に、アップボウの時に、手首を起こして上がってくることが重要です。
参考文献:ガラミアン/ヴァイオリン奏法と指導の原理 P.52~55
メニューイン/ヴァイオリン奏法 P.39~41